代表者挨拶

世界各国の中で唯一停滞している先進国

 

  過去30年間GDP成長率が上昇していない国が日本であることが報道され、ショックを受けていると思います。今や我が国は、世界の成長率ランキングで109位まで落ち込んでしまいました。国内では実感が湧いてきませんが、これが現実です。
 
GDPとは、次の算式で計算されます。
GDP=「民間最終消費支出」+「政府最終消費支出」+「民間住宅」+「民間企業設備」+「公的固定資本形成」+「純輸出
 31年前までは、民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、純輸出が絶好調で二桁成長率が当たり前だったのです。この結果、バブルが発生しバブル潰しに土地取引の総量規制が行われ、失われた30年が始まりました。

「ミスリードの始まり」
 民間部門が疲弊した中でGDPを成長させるには、政府最終消費支出と公的固定資本形成を増額することが唯一の対策になります。税収不足の中での増額は、国債発行で賄うしか方法がありません。
 ところが、多額の国債発行はやがてハイパーインフレを招き国家破綻するという誤った情報が流布され、積極的な財政出動が実行されずに今日の停滞を招いてしまったのです。   
 事実、平成10年の公共事業関係費15兆円が令和2年度では7兆円に減額となっています。政府の借金は、国民の資産であるという原則を無視した結果です。
 もう一つのミスリードは、平成元年に始まった消費税の創設と度重なる増税です。消費税は、景気の変動に係わらず安定財源として最適な税制と言われています。一方、GDP構成要素である民間部門の消費を抑制するという面を持っています。従って、消費税の運用には景気判断が最重要になります。過熱した景気を抑制するために消費税を増額することは正論ですが、税収不足を補うための不景気での増税は最悪の結果を招く事を理解しなければなりません。
 バブル崩壊以降デフレ傾向が続き、何回にも渡って増税したことが致命傷となってしまったのです。極論として、消費すれば罰金を取りますという制度だと言えます。これでは何をやっても、消費が伸びるはずはありません。

「今後の対策」
 景気回復の処方箋は、上記のミスリードを解消すれば済みます。
 一つは、国債発行に拠って政府最終消費支出と公的資本形成を積極的に行う。
 もう一つは、デフレ脱却期間に消費税率を5%に減税して消費意欲を回復させることです。それから、国債に対する正しい知識を啓蒙することです。
 国債を、民間企業や家庭の借金と同一視してはいけません。政府は、紙幣発行権と徴税権を持っているのです。政府の借金は、即国民の資産なのです。政府の借金1.200兆円、国民の金融資産2.000兆円が現実です。
 我が国の長期戦略実現のためには、どのような国家にするのか国家像を明確に示すべきです。それには、単年度予算制度から複数年度予算制度に変更することが前提となります。
 民間企業で実行している「経営理念」の策定を、前提とすべきと考えます。